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:亜衣藍:
さて、こちらは残った編集部の方である。
「あいつら、ちゃんと取材やってるかな……」
飴をバリバリ噛みながらそうボヤく昂のパソコンに、新人作家のピックアップデータを送りながら、三原祐樹は相槌を打つ。
「イケメンの写真とコメントを貰うだけですし……伊織先輩も一緒だから大丈夫ですよ」
「まーなぁ~……クソッ!」
舌打ちしながら立ち上がった編集長に、何事かとビビる祐樹であるが、それを見遣りクスっと笑った者がいた。
「この人はニコ中だから」
声の主は西埜 凌輔といって、出版社でゲーム担当をしている男性だった。
――ああ、タバコね。
しかし、凌輔はバイトのクセに、編集長の嗜好をよく知ってるなと祐樹は不思議になり、訊ねてみる。
「詳しいんですね?」
「――ま、ね」
会社に内緒でバイトしているバーで会ったからとは、さすがに教えない。
喫煙室に向かう昂の背中を見ながら、
「だってあの人、タバコ臭いじゃん」
「ああ、成程」
そんな会話をしていたら、突然ドアがバンっと開いた。
「どう?やってるぅー!?」
そう元気溌剌に、この出版社の女傑にして女帝、安藤マリサが姿を見せた。
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