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:響平:  台風一過。  部屋には平穏が、戻る。 「……まあ、マリサさんは、いつもあんな感じだから。祐樹くんは、あんまり近づかない方がいいかなあ。あっ、あと!社長って呼んじゃダメだよっ!!マリサさんって、名前で呼ばないと凄く不機嫌なっちゃうから」  凌輔が、ニコリ笑って祐樹に言う。  その長い前髪から、優しい瞳が、ちらり覗いて見えた。  思った以上に綺麗なの瞳と、その笑顔に。祐樹の頬が少し赤く染まる。  いつもは親しい者以外には、ひねくれた笑顔しか見せない凌輔を見ながら。昂が、手にしていた棒のついたキャンディーを思いっきりカジル。  その音に。  祐樹は、凌輔を見つめていたことに気づいて思わず俯き。  凌輔は、笑いながら、昂に視線を向ける。 「まあ…伊織と新人くんに、今は頑張ってもらうしかないよね。社長の肝いりだしね」 「……まあ、肝いりだしな」  3人、窓を見る。  あんなに晴れてた空が。  今は、暗雲が立ち込めていた……。
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