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：福島いるか：
「ではインタビュー掲載用の質問に移りたいと思います…」
そう言い伊織が投げかける質問に朱雨はスラスラとまるで台本でも暗記しているかのように冷たい目で質問に答えた。
インタビューが終わると真澄は朱雨に声をかけられた。
「ちょっとそこの君いいかい？」
朱雨は真澄を呼び出すと伊織がいる場所から少し離れた部屋に通された。
「そこに座って」
真澄が座ると朱雨が喋り出した。
「あのマンションに君住んでるの？」
すると、真澄は怯えながら答えた。
「は…はい……」
すると、朱雨は頷きながら答えた。
「あそこに僕が住んでいることは内緒にしてくれないか？」
朱雨は真澄に頭を下げてお願いした。
真澄は慌てて朱雨に顔を上げるよう促した。
「そうならいい…でももし誰かに情報を漏らすような事があれば今度は財布も他も危ないと思うことだね！」
朱雨は立ち上がり強気な口調で言うと、真澄は「財布」と言われて気づいた…
「駅で財布取ったのもあなたなんですか？！」
すると、朱雨は腕を組みながら呆れたように言った。
「取ってない、拾ったんだよ…人を悪者にしたて上げないでくれるかな？」
真澄は疑問に思った事を朱雨に聞いた。
「あなたはなんであそこのマンションに住んでいるんですか？」
すると、朱雨の表情は少し柔らかくなり喋り出した。
「楽しいからあそこにいるんだ」
その瞬間今まで被っていた仮面の下にある人間らしさが少し出たような気がした。
すると、真澄は朱雨にもう1つ質問した。
「なんであんな冷たいくて寂しそうな顔をするんですか？今見たいに暖かい表情出来るんなら…」
すると、今まで見た中で1番顔に表情を出しながら朱雨は呟いた。
「嫌いだからだよ………全てが……」
その顔は苦虫を噛み潰したような酷く寂しい顔をしていた。
その美しい顔からは想像出来ないぐらい怒りと苦しみと葛藤に満ちた朱雨の顔は忘れられなかった…。
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