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:凪瀬夜霧: 「「え?」」  昴の思いがけない言葉に、真澄も祐樹もギョッとして、次にはマジマジと凌輔を見た。  だが、当の凌輔は、なんとも言えないはぐらかすような笑みを浮かべて「どうかな?」と、昴の言葉を繰り返すばかりだった。 「凌輔さんって、一番謎な気がします」 「俺も、そう思う」  ひっそりと、真澄と祐樹は話し合って頷いた。 「それにしても、祐樹……で、いいのかな?」 「あっ、どうぞ」 「BL小説とマンガの担当なんだ。やっぱり難しい?」  何気なく聞いてみたのだが、祐樹の顔が一気に引きつる。  そして次には、手元の酒をグッと飲み込んだ。 「作家のお姉様、怖いです……でも本当に怖いのは男性作家さんです」 「あ……」  それは怖いだろうな。  と、思わず真澄は笑う事に失敗した。
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