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6
:亜衣藍:
猛烈に頭が痛い。
「う、う~ん……水……」
思わず、そんなセリフが口から漏れる。
手を伸ばして、いつもベッドサイドに置いてあるミネラルウォーターを手探りした。
すると、
「はい」
と、ペットボトルが手渡された。
真澄は深く考えずにキャップを外し、それを口に含む。
「――」
すると段々、意識が浮上してきた。
(えっ!? 俺、いつ帰って来たっけ? っていうか、今のは――)
慌てて起き上がると、昨日、インタビューしたばかりの相手。
紅月朱雨が、目の前にいるではないか!
「え、えぇ!? あの、ここって――」
すると、朱雨は溜め息交じりに答えた。
「ここは、俺のマンションだよ。つまり、君と同じマンションだ。部屋の場所は分かっているから、そっちの部屋まで送り届けようと思ったんだけど……ちょっと鍵が見付からなかったから、仕方なしに俺の方に運んだんだ」
「す、すみません……」
さすがに申し訳なくて、頭を下げた。
すると、朱雨は「まったくだよ」と言った。
(う、うわ~……どうしよう……っていうか、どうしてこの人は自宅じゃなくて、またこっちに来たんだろう? )
不思議に思い、チラリと見る。
「なに? 」
「い、いえ――その、朱雨さんは、こっちのマンションの方がお仕事の都合がいいんですか? 」
つい、そんなプライベートな事を訊いてしまった。
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