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:凪瀬夜霧: 「え? 凌輔さんも昴さんも同じマンションなんですか?」  そもそもそこを知らない真澄は、ぽかんとして健吾に問いかける。  それだけでこの二人を除外したのだろう。健吾は違う事を考えている様子だ。 「もしかして、伊織か?」 「違いますよ!」 「だろうな。あいつ、酔うとネコっぽくなるしな」 「ネコ……」  昨日も出て来たこの単語の意味を、いまいち理解できなかった。  彼ら曰く、祐樹は絶対にネコだと言う。  昴はタチ疑惑をかけられていたが、本人がはぐらかして結論が出なかった。 「あの……その、ネコとかタチって、どういう意味ですか?」  思わず問いかけると、近くのお姉さんがなんだがビクッとしてこちらをチラ見している。  そして健吾も苦笑気味だ。 「それをここで言うのは、少し憚られるな」 「そう、ですか」  やっぱり自分で調べないといけないのか。とりあえず会社にある他者の雑誌を読まないと。勇気はいるけれど、関わってしまったのだから。 「幸い出勤場所が同じ方向だ。その間で良ければ、話そうか」 「本当ですか!」  思わぬ申し出に、真澄は目を輝かせて何度も頷いた。
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