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:福島いるか:  真澄が振り返ると、そこには、朝会ったばかりの朱雨が立っていた。 「朱雨さん!」  真澄は、さっきまでの話を聞かれていたのかと不安になり、探りを入れた。 「朱雨さん……ずっと後ろにいました?」  朱雨は首を振り、それを見た真澄がホッとしていると――――今度は耳元へ顔を寄せて、真澄の耳元でポツリと言った。 「僕は、君はタチだと思うんだけど……?」  そう言って、手を振りながら朱雨は改札を出て行った。  真澄はまた顔が赤くなり、体中火照ったまま会社へ向かった。  会社に到着すると、なんだか空気がどんよりしていることに、真澄は気付いた。。  昨日の楽しい雰囲気とは180度違う、重苦しい空気を感じて、火照っていた体から一気に熱が引いた。
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