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:凪瀬夜霧:  いったい、この人達に何が起こったんだろう?  そう思ったが、どんよりとした空気があまりに重く、聞く雰囲気にない。  聞くにしても個人的に、時間を空けるべきな気がした。  それにしても困った。  伊織がいないと今日の仕事が分からないし、勝手に動く事もできない。  ここで「オレ、取材行ってきます!」とか言えるとカッコいいのだろうが……ダメ、経験値なさすぎる。  お茶くみとか、資料整理……は、必要な雰囲気じゃない。  むしろ誰もが「話しかけるな」状態な気がする。  そこでふと、昨日の事を思いだした。知識が足りない、資料を読めと。  これなら一人で、しかも今みたいな時に最適じゃないのか? 「あの、オレ資料室に行って来ます」  一言残し、一日でも早い独り立ちを目指して、真澄は編集部と繋がっている資料部屋へと引きこもった。
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