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:福島いるか:  真澄には、まだ祐樹の言っている感情は解からないので、ふわっと慰めることしかできなかった。 「伊織さんだって……優しいしお酒に酔っての出来事だから忘れてるって!」  根拠もないけど、真澄はそう口にする。  そして、場当たり的な言葉でそう祐樹を慰めた自分の中に、罪悪感が生まれた。  伊織は不安そうに、そんな真澄へ訊く。 「そうかな…?」 「だから伊織さんが来たら、ちゃんと謝ってみたら?」 「うーん…一応そうしてみるよ…」  祐樹は真澄に相談して、少し元気を取り戻してデスクに戻った。  真澄はまた、先程まで見ていた資料に目を通し始めた。  しかし、特殊設定の欄に書かれている言葉は意味が分からなかった。 「お…オメガ…バース?」  資料には詳しいことは書いていなかったので、また違う資料を読み始めていると、扉が凄い勢いで開いた。  バタン!!! 「うわぁっ!誰ですか!?」  真澄が顔を上げると、そこには、黒い雰囲気の凌輔が仁王立ちしていた。 「凌輔くん、どうしたんですか?」  真澄が恐る恐る聞くと、凌輔はゆっくり顔を上げた。  すると、凌輔の目からは溢れんばかりの涙が流れていた。 「えっ?!なんで泣いてるんですか?!」  真澄が拍子抜けした顔で聞くと、凌輔は膝から崩れ落ちて言った。 「ねぇ…BLって、やっぱりダメな恋愛の形だと思います?」  真澄にする質問にしては、答えが出しづらく酷な問いかけだったが、凌輔はそんな判断が出来る状態ではなかった。  真澄は、凌輔の質問に自分らしく答えた。 「確かにBLは、普通の人からしたら変なのかもしれないです…けど、好きになった人がたまたま男なだけで、好きな気持ちを押さえたりするのは男女共に良くないと思います…だから凌輔くんがどんな状況かは分からないですが、オレなら突き進んで自分のしたい恋愛をすると思います!!」
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