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:福島いるか:  やっと電車を降りた真澄は駅のホームのベンチにへたりこんだ。 「はぁ…」  ため息をついて内ポケットにある財布を探すとあるはずの財布がなかった。 「マジ……」  真澄は満員電車を思い出した。 「(絶対あの時落とした!)」  と思いながら頭を抱えていると、目の前に気配を感じ目を開けると自分の財布が見えた。 「財布!」  財布に手をかけようとすると財布は真澄の手からスルリと消えた。 「財布?」  真澄が上を見上げると黒髪ポニーテールの男がこちらを睨んでいた。 「これ?君の?」  真澄は見たことある顔だな…っと思いながら頷いた。 「はい、そうです」  そう言って返してくれるのかと思いきや男は真澄の手を引っ張り自分の方へ引き寄せ言った。 「君、今から付き合ってくれない?それまで財布はお預けで……」  真澄は驚いた顔で言った。 「はぁ?!」
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