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:櫻華:  真澄は今聞いた言葉を頭の中で巡らせる。  ええっと…BLってその…ボーイズ…なんだっけ?  そうやって考え事をしていると伊織からポンっと何かで軽く頭を叩かれた。 「な、何するんですか?」 「知らないの?BL?Bはボーイズ、Lはラブの事。ボーイズラブ、つまり男同士の恋愛モノって事」 「……へっ?男、同士ですか?」  何で男同士の恋愛モノの雑誌を男の俺達が作らなきゃいけないんだ!!!  俺…何でそんな部署に回されちゃったの?  と、都会じゃそういうのも流行っているのか?  余りの衝撃に言葉が出ず、口をパクパクと金魚のようにさせる。 「何?変な顔してんだよ。コレ、他の出版社のモノだけど一度見てみ?」  まだまだ混乱している頭の中に伊織はお構い無しと言わんがばかりに俺に一冊の本を渡した。  ササッとページを捲る度に俺はどんどん言葉を失っていった……
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