#01 霊界より
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#01 霊界より

「ねえ、写真を撮りましょう」 「ええっ、またかい?今日これで何回目だっけ」 「いいじゃないの、今日が来るのをずっと楽しみにしてきたんだから」 「はいはい、それも今日何度聞いたっけな~」 レイはシャッターリモコンをヒロコに預けると、自分はカメラを三脚にセットし構図を決めました。 彼がヒロコの家にやってきたのは約二週間前。 今はヒロコの家族とともにひとつ屋根の下に暮らしています。 もっとも、最近のヒロコは仕事に追われるばかりで、彼と二人で過ごす時間もほとんどありませんでしたから、いうなれば今回が初デート。 それだけにヒロコはこの日を心待ちにしていたのです。 「じゃ、撮るわよ~」 数回のシャッター音の後、レイはカメラを確認に行きました。 「あれぇ?」 「どうしたの?」 「ねぇヒロコ、今撮ったうちの一枚に、変なモノが写っちゃったみたいなんだけど……」 「え?何?」 レイが差し出すカメラのディスプレイをヒロコは覗き込みました。 すると、たった今写した二人の姿の背後にもう一人、上半身だけの見知らぬ人が写っているではありませんか。 「何よこれー!?」 ヒロコは即座にディスプレイから目をそらしました。 「あ、ごめん。怖かった?」     
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