73人が本棚に入れています
本棚に追加
その時玄関が開いて、バタバタと誰かが入ってくる音が聞こえた。
「ゆめ……!!」
「……大和くん……っ!!」
パッと体が解放されて、弾かれたように大和くん腕の中に飛び込んだ。
「ごめんなさい!!私自分のことしか考えてなくて……ちゃんと大和くんのこと、信じるから……」
「……俺も……翔平が俺らの為にワザとやってくれてるって分かってたけど、やっぱり翔平のこと殴りたいぐらい嫌だと思った……」
「オイ」
「ゆめはもっと嫌な想いしたんだよな……謝っても謝り足りないけど……本当にごめん!!」
大和くんも、私が平井くんと何かあったらイヤって思ってくれるんだ。
経験のありなしじゃないってことだよね…。
それになにより……私自身が大和くん以外と経験したくない。
今更だけど本当にそう思った……。
「……お前ら、そろそろ他でやってくれる?」
呆れたような平井くんの言葉にハッとして、二人して平謝りしてからお暇した……。
外を歩きながら、自分から大和くんの手を取る。
「……私ね、今まで恋愛って楽しいことばっかりだと思ってた。でも……本当に好きって、相手の嫌なとこも過去も全部含めて好きになることなんだね……」
「ゆめ……」
「大和くんは私の嫌なとこも受け入れて……自分勝手な約束もちゃんと守ってくれてたのに……。私もこれからは、ちゃんと受け入れるから。過去も失敗も、全部!」
「……じゃあ、もう触ってもいい?」
頷くと、大和くんが優しく抱き締めてくれる。
自分からもっと体を近付けて背中に腕を回すと、突然焦ったような声を上げる。
「わっ!!ちょっ待って…!!」
「……?」
「ずっと我慢してたから……」
ぎゅってして分かった……私のお腹に固いものが当たってる。
「……大和くんの家行く?」
「……いいの……?でもごめん……そこまで持たない。歩くと服が擦れて……」
「えっ!?ど、どうしたらいい!?」
なんとかカバンで隠しながら移動して……一番近くのホテルに入った。
……生まれて初めての……ラブホ……!
最初のコメントを投稿しよう!