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千紗ちゃんが肩を抱いてくれて思いっきり泣いたら、少しだけスッキリした。
……でも、今度は大和くんにムカつく気持ちが止まらない。
「……大丈夫?」
「うん……顔洗わせてもらっていい?あと……メイク道具貸してもらえないかな?」
「……いいけど……どっか行くの?」
「うん、合コン」
千紗ちゃんの目が大きく見開かれる。
「ちょ…ちょっと待って!それってもしかして平井くんが言ってた…!?」
「うん!こうなったらあたしも浮気する!」
「落ち着きなって、ゆめ!大和と話して…」
「いいじゃん、有村。それぐらいやんねーとな」
主任がトーストをかじりながら面白そうに笑ってる。
「悟は黙ってて!!」
「主任!男ウケするコツ教えて下さい!!こうなったら一番いい男捕まえてやる!!」
「おーその意気だ」
……ということで、ちゃっかり昼食をいただいた後フルメイクして、戦闘態勢。
千紗ちゃんにはずっと心配されたけど。
「まぁ…合コンぐらいは、憂さ晴らしに行くなら止めないけどさ……ヤケになって変な男に着いて行くとかはやめてよ?」
「……うん……千紗ちゃん、心配かけてごめんね」
「あーやっぱ心配…あたしも行こうかな…」
「オイ!それは許さねーぞ!」
「……何よ悟!?ゆめには無責任なこと言っといて!!」
……怒りながらもちょっと嬉しそう、千紗ちゃん。
「大丈夫!ありがとうね!長い時間お邪魔しちゃってごめんね」
「ゆめ、何かあったらすぐ連絡しなよ!」
ヤケになってる?
そうかもしれない。
……でも、気を抜いたらすぐにあの光景が頭に蘇ってくるから。
心の中が、黒いものでいっぱいになりそうで
……考えたくないの。
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