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「蜂谷くん…何かあった?もしかして彼女とケンカしたとか…?」
「……ケンカっていうか……もう終わりかも……」
やっぱり昨日のアレが原因かな…?
でも彼女さん……こんなにあっさり……?
「……じゃあ、私にもチャンスある?」
「…………へ?」
「私、蜂谷くんのこと好きなんだよね」
「……で、初めて勇気を出した結果は?」
お昼休みにしみこが聞いてきた。
「惨敗。私のことなんて見向きもしなかった。彼女の事しか考えてないって感じ」
コーヒーを飲みながら言うと、不思議そうに顔を覗き込まれる。
「…その割に泣いてないのね?彼女出来たって分かった時は泣いたんでしょ?」
「……そういえば、そうね。スッキリしたから、かな?」
蜂谷くんは彼女さんに連絡を取ったけど、まだ返事ないみたい。
仕事が終わったら慌てて出て行った。
私も片付けて帰ろうと思った時、会社の前で見てしまった……
小早川先輩と、彼女さんと、蜂谷くん。
しばらく様子を伺っていると、先輩が二人から離れてこっちに向かって歩いてきた。
二人……上手くいったんだ。
分かってたけど……だって、蜂谷くん本当に彼女の事大好きなんだもん。
きっと、彼女さんの不安も拭い去ってあげられるって思ってた。
……私にもそんな人が出来たらいいな。
「よ。お疲れ」
「じゃ、フラれた先輩を励ます会行きます?」
「バカ。鈴木を励ます会だろ」
先輩もなんだか、スッキリしたような表情だった。
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