Addicted to Love

同期はみんな仲が良くて、よくみんなで遊びに行ったり飲み会がある。

その中でも最近特にお気に入りなのが……営業の蜂谷コウキくん！
優しくて気が利くし、少し可愛めの仔犬スマイルは先輩社員にも大人気なのよね。

…だから下手に目立ったことすると先輩に目つけられそうで出来ないんだけど。

「みんなは彼氏彼女いんのー？」

恒例の同期会。
良い感じに酔っぱらってきた男の子が聞いた。

……いい質問！！

「蜂谷は？」
「俺？就職してからずっといない」

意外な答えに驚きつつも、心の中でガッツポーズをした。

「ほとんど全員一人モンかー。枯れてんなー俺ら」
「あれ？でも鈴木はけっこう遊んでるって噂聞いたけど？」

蜂谷くんの隣の山崎くんが、ニヤニヤしながら言ってきた。

……そうか。
山崎くんの直属の上司が……営業の庄司さんだ。

実は庄司さんには入社してすぐに声をかけられて……一度だけ関係を持った。

「ちょっとやめなよ！」

しみこが助け舟を出してくれるけど、男の子達は関係なく盛り上がり始める。

「お前ら、噂だけでそういう事言うなよ！！」

……蜂谷くん。

こんな話……呆れられるか引かれると思ったのに……。
まさか怒鳴ってくれるなんて……。

「…いや、俺は本当に庄司先輩から…」
「噂なら俺も聞いたけど？山崎お前、お局の山内さんに狙われてるんだって？」
「はぁ！？やめてくれよ！！ありえねえって！」
「いや、それ俺も聞いた」

蜂谷くんが提供した話題にみんなは一気に食い付き、私の話はあっという間にどこかに行った。

……さり気なく助けてくれた……って、思っていいんだよね……？

嬉しくて、胸が締め付けられるように苦しくなって……少し涙が出そうになった。