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「……ゆめ?」
ショーケースの前で俯いていると、後ろから腕を回される。
「…………」
「……ごめん……嫌な思いさせてるのに、なんか嬉しい……。ヤキモチ妬いてるゆめ、めちゃくちゃ可愛いから……」
思わず大和くんを見上げて軽く肘を入れる。
それでも嬉しそうに笑うから……私もつい頬が緩んでしまった。
「あーやばい……可愛すぎて今すぐ連れて帰りたい……」
「もう!ちゃんと指輪選ばなきゃ!」
その時、すぐ隣でクスクスと小さく笑う声が聞こえた。
……まずい。ここお店の中なのに……。
「あ……」
思わず声に出ていた。
隣にいる女の人に見覚えがあったから。
「ごめんね…えっと、坂上くんと有村さん、だっけ?」
大きな胸を強調したセクシーな服装に、大人っぽいメイクで綺麗に微笑むその人は……。
この間主任が千紗ちゃんにプロポーズした時、大野さんと組んで騙してた女の人……!!
(※「Secret Projact」参照)
「やけに可愛いカップルがいるなぁって思ってよく見たら、見覚えのある顔だったから…」
大人っぽいのに可愛らしく舌を出しながら言われて、二人して真っ赤になってしまった。
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