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「蜂谷くーん!おいでおいで~チョコあげる」
うわーハートマーク、ついてるついてる。
呼んでるのは人事部の女の先輩2人。
どうも蜂谷くんがお気に入りで、いつもながら完全にワンコに餌付け状態。
……当の蜂谷くんは、喜んでるのかしら……?
困ってるように見えるけど……なんか、ムカつく。
「先輩、お話し中すみません。蜂谷くん、部長が呼んでたよ」
「あ、ありがとう!」
「すみません」
もう一回先輩達に謝って、蜂谷くんと一緒にその場を離れる。
「…ごめん、今の嘘なの」
「えっ!?マジ!?困ってたから助かった!これお礼に一個あげる!」
さっき先輩から貰ってたチョコ。
私が貰ったなんて、バレたら何言われるか分かったもんじゃない。
「いいよ!先輩達にバレたら…」
「じゃあ今すぐ食べちゃえ!」
蜂谷くんは素早くチョコの包みを開けると、あたしの口に放り込む。
……!!!
きゃー!!何今の!?反則!!
しかもその後自分の親指をペロッと舐める。
ヤバい…!!
いつも可愛い蜂谷くんが妙にセクシーに見えて……
今のシーン、永久保存リピート再生決定。
「告らないの?」
「……付き合う前のこの時間が楽しいのよ。それに今でもきゅんきゅんし過ぎてヤバいのに、まだ心の準備が……」
「そんな事言ってるうちに誰かに取られちゃったらどうすんの?先輩達だっていつ本気になるかも分かんないし!」
確かに、しみこの言う通りかもしれない……。
でもその時は、まだ悠長に考えていた。
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