Addicted to Love

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頭上から聞こえた声…… に顔を上げると、屈んで私の顔を覗き込んでいる。 営業部の先輩で仕事も出来て、イケメンだからダントツ一番人気の……小早川シュン。 うわ…。 苦手なのよね、この人。 「…今うわって顔したよな?」 「してないです断じて」 「…まあいいけど…どうした?具合悪いのか?」 「……いえ……大丈夫です」 「大丈夫って…顔色悪いぞ。ほら、車だから送ってやるよ」 先輩は私の腕を掴んで引っ張り上げると、有無を言わさず駐車場に向かう。 ……だから嫌なのよ。 この人の、自信に満ち溢れてるっていうか…相手が嫌がるとか少しも思わないところ。 大体今行ったらまたさっきの人に会っちゃうかも……!! 幸い……なのか分からないけど、駐車場にはもう蜂谷くんの車はなかった。 どちらにしろあの人を乗せてどっかに行ったってことだ……。 胸がズキンと痛む。 「……大丈夫か?」 ボーっとしてる間に先輩の車に乗せられて道路を走っていた。 ……小早川先輩は、芸能人って言っても誰もが信じそうなぐらいイケメン。 背も高いし、人を惹きつけるカリスマ性みたいなものがある……だからだろうか。 行動や言葉にも自信が溢れてるみたいに見えて、自分の嫌いなとこなんてないんだろうなって感じが……苦手。 ……私ひねくれてるな。 「……大丈夫じゃ、ないですけど……」 「どうした?仕事の悩みか?相談ぐらいなら乗るぞ」 「仕事じゃないです……それに、先輩にはきっと分からないですよ。フラれたこととかなさそうだもん」 「恋愛の話か?俺だってフラれたことぐらいある。しかもずーっと引きずってる」 意外過ぎて思わず身を乗り出してしまった。 「えっ!?本気で言ってます!?」 「嘘ついてどうすんだよ。大学の時な、突然フラれてそっから一回も話してもらえなかった。それ以降は付き合っても続かないしな」 ……意外過ぎ。 先輩をフるなんて、さぞかし美女なんだろうなぁ……。
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