39人が本棚に入れています
本棚に追加
/175ページ
「どうしたグリード」
ウィルさんが聞くとグリードは低い声でなく。
「どうかしたんですか?」
ウィルさんは辺りをキョロキョロ見回す。
「1つ・・・いや、2つか。アイリスはグリードに捕まってて」
そう言って杖を持つ。
「サラ!動けるか!」
「余裕よ」
隣を飛んでいるサラに声をかけるとサラは立ち上がり後ろを見ていた。
何かを探すようにキョロキョロしている。
「タイミングはこっちから言う。捉えられるか」
「いけるわ」
2人は同じものを見ているようだった。
だが私には何も見えない。答えを聞きたくてフレアさんをみたら目があった。
「戦闘においては化け物だから気にしちゃダメよ。私にも見えないから大丈夫」
フレアさんは苦笑いして前を見る。忘れがちだがサラもウィルさんも戦争で活躍した英雄だ。
「せーのっ」
ゴオオォッと音を立て炎魔法が発動する。
毎回思うけど杖とかの媒体なしで魔法発動しちゃうサラはほんと規格外だと思う。
「やったか?」
「いや、まだよ」
炎は確かに何かを捉えたがそれが倒れることはなかったようだ。
だが、そのおかげか私にも2人が攻撃した者の姿がはっきり見えた。
「ミラーバット!初めて見た!」
動物図鑑で見たことある。
ミラーバットは普段は黒い普通のコウモリの姿をしているがそれは洞窟の中のみで外に出たら全身を鏡のように変え透明になったかのようになるコウモリだ。
その性質ゆえあんまり研究の進んでない生物だったりする。
「全身の鏡のような物質はほとんどの魔法を弾く高性能な防御力を誇る。・・・あの図鑑正しかったんだね」
「ミラーバットはこんなに攻撃的じゃないわよ」
今はミラーの状態にない普通のコウモリの姿をしている。だが、明らかな敵意を感じる。
最初のコメントを投稿しよう!