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「グリード、エルスマールまで頼む。お前もお願いな」
グリードのくちばしの下を撫でるとグリードはグルル・・・と喉でなく。
本当によく懐いてる。
魔獣の一種かな?人にここまで懐くのって本当に珍しい。
もう一匹はグリードより一回り小さいが2人載せるのには十分な大きさだ。
グリードにはウィルさんと私、もう一匹にはフレアさんとサラが乗ることになった。
イケメンと乗るなんて心臓に悪すぎる・・・。
グリードの背中はもふもふしててこのまま眠ったらいい夢見れそうだった。
大きな羽を動かすと周りの草木が大きく揺れ一瞬の浮遊感を感じたらグリードたちは空へ飛び上がる。
顔にかかる髪の毛を払いながらまっすぐ前を見れば広い草原がどこまでも続いている。
太陽が少し眩しいがやっぱり私は空からの景色が好き。
今度サラに箒での空の飛び方を教えてもらおう。そうしたら私の夢が一つ叶う。
「グリードってウィルさんの使い魔なの?」
後ろで行き先を見ていたウィルさんに話しかける。
風除けのゴーグルをしていて少し表情が読めないがそれがさらにかっこよく感じる。
「使い魔じゃないよ。グリードは特別なんだ。」
それだけ言ってあとは教えてくれなかった。
使い魔じゃないのに魔獣を使役できるってどういうことなんだろう。
深い思考に陥りそうだったがグリードが急に旋回するので意識を戻される。
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