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「魔法が効かないのなら私たちにできることは・・・」
「あるわよ」
私の言葉に反応したのはフレアさんだった。
フレアさんは杖を取り出しミラーバットに向ける。
「あんたたちがミラーバットを目視できる状態にしてくれたからね。追って来させなきゃいいんでしょ」
そう言って杖を上から下に下ろす。
すると二匹のミラーバットは何かがのしかかったように落下していく。
「重力魔法は物質の周りに干渉するからね。関係ないない」
「えげつない」
「敵にしたくない」
サラとウィルさんは一言ずつ感想を述べ元の位置に座る。
サラもウィルさんもすごく強いんだろうけどトリッキーな相手にはフレアさんのような人が強いのだろう。なんにせよ、魔女学校の学生には刺激が強い・・・。
小さな村や町を目下にまだまだ先を目指す。
列車で3時間かかる道のりだが空を飛べばいくらか早く着くだろう。
「さっきのミラーバットなんだと思う?」
フレアさんがそう言うとサラが「たまたまでしょ」と言う。
フレアさんはそれを無視してウィルさんの答えを待つ。
「さっきのミラーバット首輪してたしなぁ。何かが裏で糸引いてるかもね」
え、そこまで見えなかった。首輪をしていると言うことは誰かがミラーバットを飼っているということだ。サラたちがエルスマールに行くのを阻止したいい人がいる?
「考えてもわからないわ。行けばわかるわ」
サラがそう言うとウィルさんとフレアさんは顔を見合わせてため息をついた。
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