温泉旅行 後編

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「遊兄様!おはようございます!」 と笑顔で僕に挨拶してくれるのは僕の可愛い弟。 荻原 亜蓮。 「遊君、おはよう」ニコニコ ニコニコと可愛らしい笑顔で僕に挨拶してくれたこの女性は僕の二人目のお母様。 萩原 優子。 「遊おはよう」ニコリ 綺麗な笑顔で迎えてくれるのは僕の本当のお母様。 小鳥遊 麗子。 「遊ちゃんGood morning! 今日もVery Cuteだね!」 …朝から変なテンションで挨拶してくるのは僕と亜蓮の実のお父様。 ジョン・小鳥遊 「おはようございます。」 と僕は飛びっきりの笑顔で大好きな家族に挨拶を返す。 僕の家は小鳥遊グループの社長をしているジョン・小鳥遊(父)と秘書の小鳥遊 麗子(実母)と父の親世代のライバル会社の令嬢だった荻原 優子(亜蓮母)と僕と弟の亜蓮の5人家族。 お母様が二人いるのがおかしいって?普通そうだよね。 でも、二人共僕のかけがいのないお母様だし、一つの家族の形だ。 だけど、その関係を面白くないと思っている大人たちもいる。 ある日、子供だけのパーティーに出掛けた時だった。 お母様達は僕らをうんと格好良く着飾らせた。 お父様は僕らにお揃いのブローチをつけてくださった。 その時は、僕が9才になったばかりで、亜蓮は8才になった時だ。 僕は2度目のパーティーだが、亜蓮は社交界デビューですごく緊張していたと思う。 僕はお兄ちゃんだから、亜蓮の手を引いてあげないと!と思ってずっと手をつないでいた。 しかし、会場に着くと僕らを見る子供たちの目が、弟に集中した事に気づいたが、一瞬過ぎて確信が持てなかったが、雰囲気はなんとも言えぬものだったのは確かだ。 僕が初めてのパーティーで仲良くなった友達の二人が僕の所にきて挨拶をしてくれた。 まぁ、上辺だけの挨拶だけどね。 僕の弟をチラチラと見ながら僕に話しかけているので僕は紹介しようと亜蓮を僕の前に出し、肩に手を置いて、 「この子は僕の弟の亜蓮だよ!皆仲良くしてやってくれ!」 と紹介した。 モジモジとしていた弟に、ほら!挨拶!と小声で促すと、 「…。あ、亜蓮です。よろしくお願いします!」 と顔を真っ赤にさせながら挨拶をした。 友人も、弟に挨拶をしてくれて話に盛り上がっている中、 あぁ!僕の弟は可愛い! と僕は心の中で叫んでいた。 話し込んでいると、ある令嬢が挨拶をしに来た、 「遊様。亜蓮様。 お初にお目にかかります。 海堂(かいどう) (ゆい)と申します。 よろしくお願いします。」ニコ 春のように優しく微笑む彼女の顔はとても可愛くて僕は彼女に挨拶を返した。 「金髪碧眼美少年×気弱耽美美少年 目が、死す。」ボソボソ ん?何か言ったのかな? ?を頭の上に浮かべてると、 「何でもありませんわ」ニコリ と返された。
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