Addicted to You 前半

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『散々ガマンさせといて……覚悟しろよ?』 付き合ったその日、キスをねだったら言われたこの言葉。 ヤバイでしょ! きゅんきゅんし過ぎて心臓が痛い。 たまらず自分から先輩の首に腕を回した。 先輩の両手で背中と頭の後ろを支えられて、綺麗な顔が目の前に近付く。 自然にお互い目を閉じて……唇が重なる。 『……ふ……っ』 少し開いた唇から舌が入ってきて、私の舌を絡め取る。 あっという間に呼吸も奪われて苦しさから声が漏れる。 息継ぎする暇も与えないぐらいに深く、吸い付かれて……。 『……ぁっ……ん……っ』 ……ヤバイ。 先輩、キス上手すぎる。 抱き合って唇を合わせてるだけなのに、体が熱くなって疼いてくる。 もっと欲しい……。 今日はこのまま……? 『……えみか』 初めて名前を呼ばれて、これ以上速くならないと思ってた鼓動が跳ねた。 『……先輩……大好き……』 『えみか、可愛いな……』 ふっと笑って髪の毛を梳きながら言われた。 それだけで嬉し過ぎて涙が滲みそうになる。 もう一度自分から唇を求めた。 啄むように、二人で笑いながら。 『先輩、好き…幸せ』 『……シュンって呼べよ』 『…シュン……ぁ……っ』 また唇が深くなっていく……。 抱き締め合いながら、その先を予感したその時。 『な、腹減ったから飯食いに行こうぜ』 『…………え?』 唇を離した先輩が何でもない事のように言った。 ……そして食べ終わった後はそのまま駅まで送ってもらって。 ……っていうか私だって、あの雰囲気でキスで止めるなんて正直中学生かよ!?って思ったし!! でもある意味大切にしてくれてるって……ポジティブに考えてもいいのかな……とか。 今週は先輩の仕事が忙しくて、付き合った日以来会えてない。 明日は休みでやっと会えるし、少しは進展出来る……かなぁ?
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