Addicted to You 前半

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なのに……本当に今週も来た。 蜂谷くん。 「あれ?鈴木もまた来てたの?」 「悪い?彼女だもん」 「えぇっ!?……ホントに?」 私と先輩の顔を見比べてる。 鈍すぎじゃない?と思ったけど…前から仲良さそうだったから一緒にいても変に思わなかったらしい。 ……で、また始まるギター教室。 自分の家では音が出せないからって…… ……正直ウザい!! 先輩も先輩で、なんでそんなに蜂谷くんに構うの!? この間までライバルだったのに……いや、むしろ…… ……もしかして、ユカさんの為? 「そういえば、蜂谷の家が無理ならどこでギター披露すんの?」 「あっそうか……!せ、先輩の部屋……」 「無理に決まってんだろ!公園とかホテルとか、色々あんだろ?あ、スタジオはどうだ?」 「…スタジオ?」 「バンドの練習とかするとこだよ。一回見に行ってみるか?」 えっ!? さっさと出かける準備してるし……私、放置!? 「先輩!酷い!!」 「いい子にして待ってたら、ご褒美やるから」 耳元でこっそり囁かれる……。 …って、そんな言葉で誤魔化される訳ないんだから!! ……もう帰ろうかな。 鍵はポストにでも入れて連絡しとけばいいよね? ……でも…… 断じてご褒美を期待してるんじゃない。 帰って来たら……先輩に何か仕返ししないと気が済まない!! …… なのに…… 待っても待っても帰って来ない。 振動を感じて目を開けると、 「……えっ!?ここどこ!?」 隣には、運転をするシュン先輩。 「起きたか。帰ったら爆睡で何しても起きねえから……」 「……嘘……でも、なんで車……?」 !!……もしかして、ご褒美にどこか連れてってくれる!? 「ああ、明日接待ゴルフで早いんだ。だから今日は家まで送る」 「…………え?」 ……何それ……。 もはや怒る気力も起きない……。 家まで送ってもらって、そのままキスもなく先輩は帰った。 ……家に入ってって言えばよかったのかな。 それとも私からするべきだった? でも……それすら断られたりしたら…… ……私って本当に、先輩の彼女、なの?
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