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公園の中心。
二人は魔物と対峙していた。
魔物は気が狂ったような叫びを出す。
それは、大気を震わせ、大気を凍てつかせた。
男は白い吐息を落ち着かせながら女のシャッター音を待つ。
女は霜と月光の白く美しいベールをかぶり、そして男にカメラを向けた……。
鳴り響くシャッター音……。大気の霜を晴らす様に、切り裂く様に、駆け抜ける白銀は瞬時に魔物を突き抜ける。
魔物は悲鳴を挙げる間もなく細切れになって霧となった。
女は、魔物が消えた後、ぼーっと何かを見詰めていた。
明るい月明りが見せる、この白い霜が舞い散る幻想的な風景に見とれていた。
彼女は思わず1枚シャッターを切った。
そして、彼に照れたように微笑んだ。
A「この風景気に入った。」
男は剣を鞘にしまい彼女の元へと駆け寄り、ベールを上げるように頭の霜を優しくはらった。
月の光が真っ白いためか、彼女の頬の赤みが鮮明に写し出される……大きな瞳の輝とともに。
B「彩乃、ミニスカは狙われるからやめろっていってるだろ」
A「良いじゃん、助けてくれるでしょ?それに可愛いでしょ?」
彼女はそう言うと短いミニスカートの裾の両端を持ち、少し持ち上げてみせた。
白く柔らかな太股の更に奥まで見えてしまいそうだったので彼は目を反らせた。
B「まったく……帰る!」
終わり!
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