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4th
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チャイムが鳴り響く午後
あれから一ヶ月
めちゃくちゃ悩んだ、ってこともなく
俺はK大を志望校に進路希望を提出した。
今日は母さんが来て
先生との三者面談がある。
「優、お前んちの親何時頃くるの?」
自習になった教室で
斜め向かいの席の優に聞く。
「あー、俺んちお父さんが出張でタイに行ってて、母さんは妹の世話があるから、今日は智希にいちゃんがくるんだよ。
お前はもう進路決まってるからいいだろって。」
優んちは3人兄弟だ、
といってもみんな歳が離れていて、
妹は5歳、
優が17歳、
そして、詳しくは聞いてないが
血の繋がってない、
10歳上に兄がいる。
早々と家を出たらしい兄は、
忙しそうな親がわりに
いつも優の面倒をみていたそうだ。
「そうなんだ、俺会ったことないよなー智希にいちゃん。」
「今は滅多に帰ってこないから、今日だって押し付けられたんだよ、忙しいのは智希にいちゃんも変わんないのに。」
俺は昔優に聞いた話を思い出していたーー。
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