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「田中ー、次面談だぞー。」
先生が呼びに来て、優が立つ。
「じゃ、行ってくるわ」
そんなセリフを残して優は教室を出た。
唯一の話し相手がいなくなって暇だなーって思いながら、
俺もトイレに席を立った。
「うわあっ」
角を曲がるとトイレってとこで、
急に角から人が出てきてびっくりして
変な声が出た。
「あ、ごめんね?
んー、あれ、はるとーーーくんだよね?」
俺は、本当に衝撃的だった。
モデルかってくらいキレイな顔をした、
年上だけど若くて、
可愛いとも言えるけどかっこいい、
175センチくらいの華奢な男が立っていたから。
「智希にいちゃん!なんで母校なのに迷うんだよー。」
って声がして振り返れば優で、
「ってあれ?お前トイレ?」
って優に聞かれてやっと状況を理解する。
「あーーー!!!智希にいちゃん?」
「うん、僕が智希です。
いつも優がお世話になってるね?
話はよく聞いてるよ。
写真もよく見てたから。
はるとくん、かな?って思って
思わず話しかけちゃいました。」
柔らかく笑うその瞳は
本当に優しくて、吸い込まれそうだったーー。
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