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満天の星空の下
暗い闇をただただ照らし出す幾多の星屑。
その光が幾億年もの時を超えて今日、この青き星に届いた一筋の光。そしてその光に見守られながらこうしてこの大地に僕と、そしてあの子が立っていられることを奇跡と呼ばずして何を奇跡と呼べばいいだろう?
「僕は明日、一世一代の大勝負に出ます。神様、僕に勇気と力を下さい」
僕、鷲尾一星はそうつぶやく。そして夏の大三角形がビカビカと輝く一点の曇りもない空を見上げ、両手を組んで目を閉じた。
「いつまで外に出てるの?早く戻りなさい」
お母さん・光子はサッシを開けると、呆れ顔でそう僕に告げた。
「全く、男ってバカばっかりなんだから……」
お母さんがそうつぶやく声が僕の耳に入ってくるが、そんなことは気にしない。
明日は、大切な日なんだ。
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