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「沙羅、…」
繋がったまま、何度も名前を呼ぶ直に、沙羅は言う。
「愛してる」
「あなたの前世も全部、愛してる…」
「―…ッ、」
直が切なそうに眉を寄せて、夢中で唇を求めてくる。
それを受け止めながら、背中に手を回して直を包み込んだ。
優しく慈しみ合うように触れ合って、
お互いの存在とその気持ちを、刻み付けるように。
溶け合いたい
甘い快感に、息が上がる。
形を確かめ合うように、身体を重ねた。
忘れない
絶対に。
寂しくて堪らない。
でも、直がこれからも生きようとしてくれるだけで、
こんなに嬉しい。
大丈夫。
きっと、また、会える。
これで、終わりじゃない。
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