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再会
「隣のおうちに、誰か引っ越してきたみたい。」
涼子は嬉しそうに言った。
もう6歳になった沙羅の、同い年の子どもたちとは余りに異なる落ち着きを、涼子はさっさと個性として受け止めてしまったようだった。
「私たちと同じような、家族連れみたい。」
「仲良くなれたら、いいね。」
娘の返しに満足そうに頷く。
「沙羅と同じくらいの男の子も見えたわ。」
沙羅はニコリと微笑んだ。
出来れば、年上の知り合いが良かったけど、とは思ったが、いつかその子も成長するだろう。
家族以外の話し相手になってくれるといい。
「幼馴染になるのよ。」
涼子は自分のことのようにそわそわとしていた。
「何だか、幼馴染って響き、いいわよね。」
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