十月吉日

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ポタポタッ 突然、頬に濡れた感触があって。 一瞬、雨か?と見上げてみるが、 相変わらず空には雲一つ無い。 触れてみると、 「……なみだ……」 俺のじゃない。 でも、これは確かに…… こういうの、 涙雨……天泣とも言うんだっけ。 「ふっ……お前、泣くの早ぇから」 俺は、空に向かって手を伸ばした。 十月の快晴の空は、 どこまでも高く、そして綺麗だった。
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