32人が本棚に入れています
本棚に追加
時を同じくしてインセンス軍も雄叫びを上げながらこちらに向かってくる。
約5万の兵の声は大気を震わせ、大地を引き裂かんばかりの迫力があった。
「っしゃあ!!全員真っ二つにしてやるぜ!!」
グリーフ軍の先頭に立つグランは直径2メートル程の大鎌を持って敵に切り込む。
グランが大きく横に振るとインセンスの兵は忽ち吹き飛んでいく。
グランは対集団戦を得意としており、大鎌を振り回すその腕力で敵を一掃する。討ち取った数は隊長に就任してからはトップである。
「す、すごい…やっぱりグラン隊長は。俺たちもボサッとしてられない!一人でも多く敵を討つんだ!」
グランの活躍を見て、後衛の兵達は更に士気を高める。
「ハハハッ!こんなもんかインセンスの総力は!?『大地の死神』グラン様の肩慣らしにもならねぇな!!」
1人でもう100人は斬っただろうか?
勿論、敵もラストアーマーを装着した兵だが尚も止まらぬグランの勢いにインセンスの兵は後退気味になる。
しかし、1人の兵が猛スピードでグランに突っ込み、大剣を振り下ろす。グランは鎌でそれを受け止める。
グランには見覚えのある男だった。
「…よぉ、久しぶりだなギーガ。まだ生きてやがったか。」
「久しぶりだなグラン。相変わらずうちの兵を虫けらのように扱ってくれるな。」
その男はインセンス軍の"将軍"だった。グリーフ王国の隊長と同格である。
「で?何しに来やがった?」
「ここで貴様の進軍を止めさせてもらう。少々やり過ぎだ。」
「お前如きが俺を止める?言うじゃねえか、直ぐに死体になるなよ!!」
「貴様こそな!!」
グランとギーガの一騎打ちが始まった。
激しく打ち合うが、まるで勝負がつかない。
他の兵は2人の衝撃波交じりの打ち合いに近づくことができず、いつのまにか周辺には大きな空間が出来ていた。
最初のコメントを投稿しよう!