戦創世記(せんそうせいき)

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戦創世記(せんそうせいき)94年 世界は長き戦乱の時代 この約100年、科学の力は目まぐるしく成長し、数多くの兵器が開発された。 全ては戦争を終わらせるために。 しかしながら、それに伴って状況はさらに悪化。 未だ終戦の兆しは見えない。 グリーフ王国の科学者、ロバート・アルバランは秘密裏に10年ほど前から研究を始め、新兵器を開発する。 それは大砲や戦車といった大型兵器ではなく、人体に装着する鎧のようなものである。 この鎧には、"装着する人間の身体能力に呼応"してさらに能力を向上させるといった特徴があった。 簡単に言えば、足の速い者はさらに速くなり、力の強い者はさらに強くなる、といった性質のものだ。 そしてその装甲においては、並大抵の剣なら折れ、銃弾を弾き返す程の強度に達している。 これによって縦横無尽を駆け抜ける、一騎当千の猛者が誕生した。 アルバランは早期に戦争が終わることを切に願ってこの兵器に『ラストアーマー』と名をつけた。 同年、グリーフ王国は『ラストアーマー』を導入。 数人で戦況を覆すその様は交戦中のインセンス帝国及び、世界中に大きな衝撃を与えた。 そして開発から10年後、 時代は新戦創世記(しんせんそうせいき)元年。 未だ戦争は終わらなかった。 人類は世界規模で『ラストアーマー』を導入、無惨にも戦火を広げていたのだ。 物語の舞台は戦時中のグリーフ王国とインセンス帝国。 広い世界のたった"2つ"の国の物語である。
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