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ギーガが言い終えるとともに、インセンス軍から数発の砲弾が放たれる。
それを見たグランは拍子抜けした。
「何かと思えばただの大砲じゃねぇか。今更ラストアーマー兵にそんなものが通用すると思ってんのか?笑わせんな。あれが避けれねぇほど俺の部下は無能じゃねぇぞ」
「ああ、恐らく楽に避けれるだろうし、食らったとしても装甲で致命傷にはならないだろう。"ただの大砲"ならな」
不適な笑みを浮かべて将軍ギーガは応えた。
「どういうーーー」
グランの反応を他所にグリーフ軍の兵達は飛んでくる砲弾を避けていた。
が、着弾の瞬間、破裂音とともに砲弾が爆散し、中から無数の棘のようなものが四方八方に飛び、グリーフ兵を次々と貫きはじめた。
「ラストアーマーの装甲を簡単に抜けてくる!!なんなんだこれは!!?」
「逃げろっ!あれはただの大砲じゃないっ!!」
兵士達がどよめく中、砲弾がさらに数発送られてくる。
為すすべもなく、悲痛の声を上げながらグリーフ兵達はバタバタと倒れていく。
「なんだ…?こりゃあ…一体…」
その惨劇を目の当たりにしたグランは愕然とする。
「これが見せたかった景色だ、グラン。貴様に暴れられてはうちの兵も巻き込まれるところだったからな。だが、もう食い止める意味もない。絶望のまま死ね」
得意げにギーガは言うと大剣を構え、グランに斬りかかる。
グランは向かってくるギーガを見つつ、パラディンやスタットの顔を思い浮かべた。
「…どいつも、こいつも。舐めたような口を聞きやがって。誰が…誰が死ぬってんだっ!!!あぁ!!?」
ギロリと睨み付けると、グランはギーガの懐に飛び込み剣を振り下ろす前の腕を掴む。
「なにっ!?馬鹿なっ!」
ギーガの腕を掴んだまま、グランは専用の鎌、『アンチワイト』を大きく振り被り、そのまま斬りつけた。
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