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ギーガは驚きの表情のまま、斜めに真っ二つになった。
両軍を含めた数秒の沈黙の後、グランは再び口を開く。
「…俺を誰だと思ってやがる?この程度で出し抜いた気になっちゃ困るんだよ。ギーガ」
死体に向かって一言呟いてからグランは味方の兵に向かって叫ぶ。
「おい、てめぇら!!今から俺が突っ込むからよ、逃げてぇ奴は逃げて他の奴は指咥えて見てろ!!」
「「うぉーーーっ!!!」」
グランが走り出すと、兵士達も士気を取り戻し、再び進軍を開始する。
インセンスの兵はそれを見て動揺する。
「あいつら、また向かって来やがった!怖くないのか!?」
「下らん!死にに来ただけだ!砲弾をお見舞いしてやれ!!」
インセンス軍は再び仕込み大砲を放つ。グリーフ軍は対策がとれる訳でもなく、次々と餌食になっていく。
そして一弾がグランの頭上に落ちてきた。
しかし、グランは避けることはせず、アンチワイトで砲弾を真っ二つに斬り裂いた。
砲弾はそのまま爆発したが、仕込みの棘は不発に終わった。
「大砲なんかで俺を殺れると思うなよ」
そう言うとグランは進軍を続ける。
「っーー!!バケモノがっ!!」
「怯むな!撃てっ!!撃ちまくれーーっ!!!」
インセンス軍は大砲を果てしなく撃ち続ける。
グランは近くに来た砲弾は全て直接斬り裂いていたが、守備範囲外で炸裂した棘に遂に被弾する。
(ちぃっ!左腕をやられた…対ラストアーマー武装のシステムを量産兵器に組み込んだってのか?技術が進化してやがる…!)
動揺して、傷を負いながらもグランは遂に大砲の設置場まで辿りつき、次々と破壊していく。
しかし、共に進軍した部下達は3分の1以下になっていた。
「はぁ、はぁ…取り敢えずこいつさえ潰せりゃ、形勢はまた変わるぜ…」
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