1.あらすじ(第1話)

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 紆余曲折を経て、いよいよ巨大彗星の尾が肉眼で観測できる程に接近してくる。  天体ショーを眺めながら、一樹は今回の彗星──「ハーレクィン彗星」についての逸話を語る。話半分に聞いていた竜二だが、不意にその彗星の尾から一筋の光が降りてくる。  光は中学校の校庭にまで飛来すると同時に、巨大な蛇の姿に変異する。驚くべきことに、その姿は一樹がハーレクィン彗星に関する逸話と併せて述べていた北欧神話の怪物「ヨルムンガンド」の姿に相違なかった。  襲いかかる怪物の前に絶体絶命かと思われたその時、竜二のスマートフォンから奇妙な光が放たれる。すると竜二以外の全ての時間が止まり、その周囲には無数の“半透明なカード”が浮かび上がってくる。  困惑する竜二に向けて、彼のスマートフォンから聞きなれない音声が響いてくる。 「キミの力を貸してもらう。その怪物は『インフィクション』、空想が具現化した存在だ。インフィクションはインフィクションでなければ倒せない」  竜二はハーレーと名乗る謎のAIの音声に従い、宙に浮かぶカード──「イメージコード」を掴み取る。そして、“フィクションの怪物:ドラゴン”と“実在する生物:オオカマキリ”のカードを合成し、新たなインフィクション──「ドラグリーパー」を生み出し、襲い来る大蛇と対峙する。  その日を境に、竜二は“空想を実体化させる能力者”──「クリエイター」となる。  そして、巨大彗星により引き起こされた“現実と空想の融合”を食い止めるため、終わらない戦いの渦中に巻き込まれて行くこととなるのであった。
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