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その4 展開
翌日、
雪子と健一は再び部落に向かった。
最初は何も分からず部落を訪ねただけだったが
今回は違う。
どうしても志保の手掛かりがほしかった。
それともう少し安治郎の情報も得たかった。
「安治郎爺ちゃんは部落にいるのかなあ」
「私はいると思う、何らかの意図があって」
雪子が志保を探したのは
夢で獣と志保を見たからだ。
安治郎があの日部落にいたのは偶然ではないと思った。
彼も志保や狼から何らかのメッセージを受けたのかも知れない。
以前と同じ場所に車を置いて2人は歩き始めた。
「この道、志保ばあちゃんも歩いてたんでしょうね、
心細くなかったのかな」
思いを巡らす雪子だった。
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