その4 展開

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「お前達は部落の秘密を 探りに来たんだろう、そうはさせん、 ここで撃ち殺しても誰にも分らんからな」  安治郎が銃を構え直して2人に照準を 合わせたその時、  一頭の獣が安治郎に体当たりした。  狼だった。  瞬時に安治郎のクビを咥えた。 安治郎はもがきながら銃を一発発射した。  狼は床に倒れた安治郎の首を咥えたまま動かなくなった。 弾が当たったのだ。  手足をバタバタ痙攣していた安治郎も息絶えた。 「あ、あ、狼・・・」  恐怖と驚きで声も出ない健一。  その狼はガリガリに痩せた年寄りだった。 「最後の力を振り絞って 私達を助けてくれたのね、 志保ばあちゃんの時みたいに・・」 涙を流して体を撫でた。
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