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「お前達は部落の秘密を
探りに来たんだろう、そうはさせん、
ここで撃ち殺しても誰にも分らんからな」
安治郎が銃を構え直して2人に照準を
合わせたその時、
一頭の獣が安治郎に体当たりした。
狼だった。
瞬時に安治郎のクビを咥えた。
安治郎はもがきながら銃を一発発射した。
狼は床に倒れた安治郎の首を咥えたまま動かなくなった。
弾が当たったのだ。
手足をバタバタ痙攣していた安治郎も息絶えた。
「あ、あ、狼・・・」
恐怖と驚きで声も出ない健一。
その狼はガリガリに痩せた年寄りだった。
「最後の力を振り絞って
私達を助けてくれたのね、
志保ばあちゃんの時みたいに・・」
涙を流して体を撫でた。
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