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湯飲みを取り出し砂を払ってみると
側面に平仮名で しほと書いてあった。
「志保ばあちゃんの湯飲み・・・」
大切にカバンの中に入れた。
「その下になんかあるよ」
健一が叫んだ。
下から出てきた物は、
何重にもビニールでくるまれたノートだった。
ノートをめくると 志保と書かれていた。
鉛筆でカタカナが混じった字だが
綺麗でしっかりした字体だった。
「志保と部落」
冒頭に書かれていた。
興奮してページをめくって読もうとする雪子に、
「町へ下りてか、家に帰ってから
ゆっくり読んだ方がいいよ、
ここで時間を潰すのは危ない気がする」
健一が言った。
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