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はっ!と我に返った雪子は
あたりを見回して帰る決心をした、その時、
3匹の小さな獣がキュンキュン鳴きながら近付いてきた。
「狼?犬の赤ちゃん?」
子供の狼はしっぽを振りながら
息絶えた老狼の周りに集まり顔を舐めていた。
ふと見るとその後方に数頭の
若い狼が様子をうかがっていた。
「雪ちゃん、早く行こうよ!
僕らもやられるかも」
健一は腰が抜けそうだった、が、
雪子は自然と笑みが漏れた。
「そうじゃないと思う、この子達は
志保ばあちゃんの友達の子孫だと思う」
近くに寄って子供の頭を撫でた。
様子を見ていた他の狼も雪子のそばにやって来た。
「志保ばあちゃんを守ってくれたのね、
ありがとう」
狼を撫でながら涙を流した。
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