狼と暮らした女

その１

　客は少ないが仕事は一杯あるスーパー、

「雪ちゃん、仕事の後一緒にご飯どう？」

　ある日、山木正が雪子を誘った。

　仕事が終わると一人でどこかで夕食を食べて

アパートに帰る。

　まあ、別に構わないかなと雪子は承諾した。

　仕事が終わり山木の車でファミリーより

少し豪華なレストランで食事をした。

　話上手な山木は由紀子を笑わせ飽きさせなかった。

　少しお酒を飲んで、雪子のアパートまで送ってくれた。

助手席のドアを開け外に出ようとした時、

山木が後ろから雪子の肩を引き寄せ抱き付いた。

　ヤバイ！と思って咄嗟に振り返って山木を見た。ところが

山木はびっくりした様子でその場に固まっていた。