最終話を何話にするか悩む第五話「 体育のじかん 」

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『 このボールを避けれなければ死ぬんだ!!そう思って本気でぶつかり合おう!俺達はマフィアにも屈しない三年F組だろー?!! 』 「「 おおおぉおおお!!! 」」 何処かの熱血漫画の様な展開が 僕の視界に広がり始めた。 飛び交うボール、運動神経の悪い僕は 直ぐに的にされる事は分かっていた。 「 当れぇええ!!全員ぶちのめしてやる!! 」 凄まじいスピードを上げるボールは 僕の顔面へと向かっていた。 痛みは覚悟していた。 僕はそっと目を閉じ耳を澄ませた。 『 死なせるもんか。 』 斉藤が洋服乃を目掛けて飛んできた玉を ギリギリで受け止めた。 「 ・・・斉藤?? 」 ゆっくりと開いた視界の先で 額から汗を流し摩擦により手を負傷した 斉藤がにこりと微笑んでいた。 「 馬鹿だな、お前。死なせるかよ、こんな所で。外野に行けば楽になるってか? そんな事、この俺が許さねぇからよ。 」 「 ・・・お前、その手・・・。 」 「 気にすんな、こんなのお前が死ぬことに比べたら何でもねぇよ。 」 その時、僕は思ったんだ。 渡先生が何故体育の授業でドッジボールなんかを 選択したのかを。 どんな状況においても誰かを守る。 仲間同士の絆を確かめる、そして築き上げる。 そんな意味が込められているという事を。 あぁ、渡先生は本当のところいい先生なんだ。     
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