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父が死んだ。
長年難病に苦しんで、
余命2年のところを7年踏ん張ったところだった。
火葬場で
母や姉が親戚へのお茶汲みをしている。
そのくだらない時間を横目に
覚えたての煙草を燻らせに外へ出る。
ふと空を見上げた。
煙突から昇る煙を
父との思い出を
煙草の煙と共に
一粒涙をこぼして
あとはいつも通り灰皿に煙草を擦り付け
背中をピンと張って歩く。
いつもの日常に。
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