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暇だ。暇すぎる。
佐田新志はスマートフォンを片手に寝っ転がる。
土曜日、特にすることもなく、6時には目を覚まし、その後洗濯機を回した。
その後ダラダラすること3時間、やっと10時を回ったところだ。
普通嬉しい週末なのだろうが、趣味も特になく、出掛ける用事もない、かと言って眠くもない。
暇で死にそうだ。
SNS、動画サイト、それらを全て回った後、再びベッドに引き寄せられ横になったところだ。
大きな溜息を一つ吐く。
スマートフォンの画面が光った。
あれ、
検索エンジン、まぁ、内蔵されたAIが起動していた。普通にホームボタンを押すが、画面は戻らない。
「すみません、よくわかりません。」
もう聞き慣れた女性の声が、聞き慣れた調子で、聞き慣れた言葉を吐く。
そして音声認識の画面になった。
「暇なんだけど」
新志は思わず言った。
「そうですか。」
冷め冷めとした言葉が淡々と返ってきた。
いっつもこれなんだよなー。でも割と好きかも、こういうの、
新志は少し楽しくなって、更に話しかける。
「君について、教えて」
直ぐに認識して返答が返ってくる。
「私はあなたの知的エージェント、ではなく、ウラヌスです。」
あれ?前聞いた時知的エージェントだったよな、ウラヌスってなに?
「ウラヌス」
新志は繰り返して問うた。
「はじめまして、本日より、佐田新志殿のスマートフォンにお邪魔しております。魔術の神、ウラヌスでございます。」
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