テンパり熱斗

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ある時、藍里は困っていた、クラスで浮いていることも、大親友にお願い事をされたことも、よりもよって関心がない男子に声をかけて欲しいとお願いされたことも、自分が断るとういことが苦手だということも。 現状国道16号の小高い坂から八千代の村上を見下ろしているこの状況にも、目の前の暗そうな陰キャラのこいつに対しても、会いたくてあったわけじゃないのだ、正直断っても良かった、根っからこういった人間は嫌いだから、その場で親友の願いをその場で断っても良かったのだ。そう、 この時、私はうそをついた、死にたいという声が聞こえたことまでは事実である、暗闇からひょっこりと現れた私に対してのこの男の反応はしかし、きょどりまくるし、キモい全力でこの場から離れたい、いやだ!本当に嫌だ!!何か適当を言いてこの場をうまく逃げたいとも思っているそれが9割、でも親友にこいつのことを頼まれてしまっている、しかし急に現れてしまいどう言い訳をするかも考えておらず、咄嗟に発した言葉が我ながらしんどいこと極まりない。人は後悔をその場で感じることができるのだろうか?人はなぜ大事な存在からの頼みごとを断れないのだろうか?なぜ私はここまで深みにハマることになってしまったのだろう、なぜこの男のことを未來[のぞみ]は気になっているのだろうか??何にしても私はこのキモい奴が苦手だ無関心になっていたのは認めようでも、でもこの男は今のところ私があって来た男性という異性という中では一番絡みたくない。 適当にごまかして帰ろう、そしてのぞみには今日のことは黙っておこう。それがいい あの子にはいつも死ぬほどお世話になっているけど、こういうのはきついなぁ、絶対的にわたしは間違った判断はしていないと思う。そうだ私はいつだって物事を的確に見れていたはずだ、なら今だって。 そうだ、人違いだったと言って帰ってしまおう、それならこいつもだまってかえるだろう、でも一瞬こう思ってしまった。なんとかあの子の力になりたいと、そしてあの子の本当がもっと知りたいと、だから私は咄嗟に1割の方に動いてしまった、 なんとかしてみよう。そう、そうなのだ、この時の私の行動が、今後の高校生活をまるっきし変えてしまうくらい、そして何より今までの自分を変えてしまうくらいの出来事への序章に過ぎなかった。 私、金城藍里はこの男、韮澤熱斗に見事に振り回されことになる。
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