序章 悪夢

4/5
前へ
/5ページ
次へ
 あまりにも滑稽じゃないか? 飛んで火に入る何とやら、だ。 周囲から見れば、あまりにも愚かな行動だろう。いや、私もそう思うとも。 傷 付くことがわかっているにも関わらず、敢えてその道を行くなど、愚か以外の何者でも無い。挙げ句の果てに、自分のせいではなく、社会のせいにしようとする。  まるで子供だな。 ……そうだな、もしかしたら、私は何も成長していないのかもしれない。 学力だとか、そういったものじゃなくて、私は、人間的に、一切の成長をしていないのかもしれない。  ……『かもしれない』? 違うだろ。そんな、生易しい言葉を付け加えてくれるなよ。わかっているだろう、私よ。 お前は、あの頃から、一切、成長、していないのだ。間違えるな。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加