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宙の記憶
夢を見る。
果てしない空間を、いつの間にか発生した大きなエネルギーに乗って渡っている。その空間は数多のエネルギー物質で満たされ、それらが様々な力で引き合い、反発し合い、均衡を保っている。その概念を知らないはずなのに、夢の中の自分はその空間を『海』に似ていると思っている。静かな宙(そら)で、時に大きな、時に微小なエネルギーに乱されながら、それでも自分は止まることなくただそこを渡っている。
果てしない、光と、無と、力と、あの静けさに、胸が、
胸が――
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