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「あれ、ココア 買ってきてくれたの?」
君は白い吐息を吐きながら
カメラを持ったまま こちらを向いた。
「え?そろそろ休憩した方がいい?
…じゃあ そうしようかな。
夢中になっちゃうと…ついね。」
君は肩をすくめて いたずらそうな瞳で笑い、
カメラから手を離した。
そして 頭と肩につもった粉雪を払ってから
僕からココアを受け取った。
「…あたたかいね。」
君は宝物のように ココアを両手で包み
かじかんだ手を温め、
幸せそうな 顔でふわっと 笑った。
君がココアのキャップを外すと
ココアの白湯が 空に立ち昇った。
さっきまで 君が撮っていた
粉雪が舞う空に。
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