壊れ崩れる

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 好きな人に怯える自分が歯痒い。  そばにいてあげたいと思うのに。 「お粥は温めればまた食べられるから。ちゃんと横になっててね」  涙声を堪えながら、成美は言われるがままに部屋を出る。  ぱたりと閉めた扉の音は、まるで聖司の心の扉が閉ざされた音のように聞こえた。 .
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